転職活動をおこなうには当たり前ですがお金がかかります。面接会場に行くための交通費、履歴書用の証明写真、新調したスーツ、ネクタイ、靴、カバン…。挙げればキリがありません。そして何より、転職期間中の生活費や家賃なども払わなければなりません。前の会社を辞めてから転職活動に入る場合、その間収入はゼロになるわけです。そうなることを見据えて、在職中からコツコツと貯蓄をしておく必要があります。出来ることならいまの会社に在籍しながら転職活動をして、新たな就職先が見つかってから退職するのが好ましいのですが、上司とそりが合わなかったり、仕事内容が大変だったりして衝動的に仕事を辞める方もいるでしょう。そういう方はいきなり収入がゼロになり動揺してしまいますので、有事に備えて前もって貯蓄しておく必要があるのです。
失業給付金があるから大丈夫と考えている方もいると思いますが、自己都合で退職した場合はハローワークに申請してから3か月の間はお金をもらうことが出来ません。失業保険を当てにするのは避けた方が良いでしょう。
貯蓄をせずに転職を始めると、日に日に貯金が減っていく現状から焦りが生じ、熟考せずに慌てて新しい会社を決めてしまい、再び待遇の悪い会社に入り、またすぐ辞める…なんて負のスパイラルに入ってしまう可能性も否定できません。一方である程度の貯蓄があれば、腰を据えた転職活動が可能となります。
では一体いくら貯蓄があれば安心して転職に挑めるのでしょうか。結論から言えば、…個人差があり、明確な答えは出せません。拍子抜けかもしれませんが、いくらお金が必要なのかは人それぞれとしか言いようがありません。一応の目安として言われるのが、「半年~一年間は無給で生活できるだけの貯蓄」です。例えば毎月20万出費しているのであれば、最低でも120万は貯蓄が必要となります。決して安い金額ではありません。ご自身が毎月いくら使っているのかを計算して、それに応じた貯蓄をしておく必要があります。ここで注意しておきたいのが、会社に勤めていたときは負担していなかった税金や社会保険料を自分で支払わなければならなくなるということです。また、家族がいる方は、子どもの教育費なども考慮する必要があります。どうしてもお金が無いのであれば、子どもの習い事を一時的に辞めさせる必要があるかもしれません…。
転職には思っているよりお金がかかります。出来る限り衝動的な転職は避け、計画的におこなうのがベストです。