「ゆとり世代」はダメだ。根性が無い。やる気が無い。すぐ辞める…。ネットでゆとり世代に関して調べると、こんな悪口が大量にヒットします。なるほど、上司のみなさんからすれば若いゆとり世代の彼らは役立たずに違いない。いや…、本当にそうでしょうか?本当にゆとり世代は根性が無く役立たずで、すぐ辞める人々なのでしょうか?

厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」によると、大卒新卒者が3年以内に離職する割合は約3割です。会社側からすれば、あれだけ時間とお金をかけて採用した社員がすぐに辞めてしまうとなると、確かに「これだからゆとりは…」と嘆きたくなる気持ちも分かります。ですが、グラフを良く見てみると、実はゆとり教育以前の離職率も約3割だったというデータが出てきます。そうです。3年以内に離職する割合としては、ゆとり世代か否かは問題では無かったのです。「これだからゆとりは…」と嘆いているあなたの世代も、同じようにすぐ辞めていたのです。

ゆとり世代の彼らがいまの仕事を辞め転職したいと思う理由は何でしょうか。Vorkersが調べた「平成生まれの退職理由って?」によると、「キャリア成長が望めない」「残業・拘束時間が長い」「仕事内容とのミスマッチ」などの理由が挙げられています。これらの理由は、ゆとり世代に限らずすべての世代で当てはまる転職理由ではないでしょうか。
ですが、同じくVorkersが調べたデータによると、ゆとり世代は「ワークライフバランス」を理由とした退職が多いとのこと。ワークライフバランスとは仕事と私生活のバランスのことです。つまり、他の世代と比較すると、仕事よりも私生活を重視する傾向が強いということです。「ゆとり世代は残業をしない!」といった批判はこういうところから来ているのでしょう。上司のみなさんの世代だと、残業して当たり前、仕事にすべてを捧げろ、といった考えが一般的だったのでしょう。そう考えるとゆとり世代が根性無しに見えるのも分からなくはありません。
しかしながら、それは一方的な意見に過ぎないのかもしれません。残業しろ、残業しろ、なんて言う会社はブラック企業以外の何物でもありませんし、雇用の流動化が進んでいる昨今、会社にすべてを捧げるなんてことはするはずもありません。

ゆとり世代は根性無しに見えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。ゆとりだから…、という偏見は捨てるべきでしょう。